1998/10/01

サラのこと

98年8月、Saraは生後10ヶ月目にして、うちの家族に加わりました。それまではSteinを繁出したブリーダーさん宅で飼われてましたがある事情のため、里子に出されることになりました。

Saraを里子に出すことを私が知ったのは、6月頃。ちょうどその頃は、ブリーダーさんが繁犬を対象にしたセミナーに参加していました。インターネットを利用した里親探しの依頼を受けて、写真をホームページに一時期掲載したのは前からうちのホームページをご覧になっていたかたでしたら、ご存知だと思います。



Saraをうちで引き取ろうと決意したのは、私でもなくeinMでもなく、自然の成り行きだったような気がします。

Einに続く2頭目のラブを探しているときに、まだ生後2ヶ月だったSaraと出会いました。元気に家の中を駆け回っている、マズルと尻尾の長いその子を見て迷わず、「この子を譲ってください」とブリーダーさんにお願いしましたが、「その子は譲れない」と断られ、結局、生まれて30日目の黒ラブを2頭目に決めました。
その黒ラブがSteinです。


ことある毎にブリーダーさんちにお邪魔して、「おー、Sara元気かー?」などと良く身体を撫でてました。そのSaraが里子に出されて、知らないところに行ってしまう...
その年の暮れには私たちの子供が産まれるのを既に分かっていたのに、「3頭ものラブを飼っていけるか?」それだけが不安だったので、私は「Saraを引き取りたい」と思っていても出産という大仕事が控えているeinMにその話を切り出せなかったのです。
ある日、einMが「うちで引き取ろうか?3頭になっても何とか大丈夫じゃない?」とポツリ。
良く話し合いました。2頭は一度に散歩できても3頭となるとそうは行かない。食費、医療費だって1頭増えただけでも馬鹿には出来ない。ブリーダーさんに相談して3頭目になるが性格的にSaraは順応できるかどうか?などいろいろ相談した結果、うちで引き取ることに決まりました。



Saraを引き取るに当たって、一つだけ条件がありました。Saraのお爺さんに当たる犬が日本のラブラドールの歴史を語る上で必ず名前が出てくる『サンドリンガム・トランプ』であったこともあり、Saraの母方のオーナーがサラの子供を引き取る約束がブリーダー同士の間で取り交わされており、一度だけ出産させることが条件でした。その条件のお陰で里親が見つからず、うちに来ることになったのです。

晴れてEin、Steinに次ぐ3頭目として家族に加わりました。
子犬の頃、よくイタズラしあって遊んでいたのを覚えているのかSaraがうちに来たときからSteinはすぐに遊びはじめました。誰とでもすぐに仲良しになれるSteinですから、心配はしてませんでしたが、問題はEinです。『なんだよ、また新しいのが来たのかよ』って顔をしてSaraのことを睨みつけていたのをよく覚えています。Steinが家族に加わったときは相手がまだヨチヨチの子犬だったこともあり手加減していたのですが、今度は10ヶ月齢とは言え既に身体の大きさは大人サイズです。2~3度激しく怒鳴りつきました。しかし1週間もすると存在を認め仲良くはありませんが、怒鳴りつくことはありませんでした。今では一緒にくっついて仲良く寝ています。



まず私が取り組んだのは、躾より親和をとる(遊ぶ)こと
ホームページ上で里親募集をしたときには『家庭犬としての訓練は入ってます』と書きましたが、実際は違いました。それもうちが引き取ることに決めてから知ったのですが、臭気選別の訓練のために家庭犬として必要な躾が入っていなかったのです。今になってうちで引き取ってよかったと思っているのですが、はじめてラブを飼う人に引き取られずによかったと思います。もしはじめてラブを飼う人が引き取ったらそれはそれでSaraにとっては愛情たっぷりで良かったのかもしれませんが、飼い主が子犬ノイローゼよりもはるかに激しいノイローゼに襲われたことでしょう。

今更基本的な躾を入れようとしても、そう簡単には入りません。「スワレ」さえ出来ない子にいきなりスワレを教えうとしても無理です。とにかく私が新しいリーダーであって、一番の友達ってことをSaraにわからせるために徹底的に遊び、いけないことをしたときは様子を見ながら叱る度合いを増していきました。

幸いホームシックになることなく、我が家に自然に溶け込み、今では大切な家族の一員です。98年の9月にはそれまでEin専門だったフリスビーの練習をSteinと同時に始め、ラブとしては異常に早い足と驚異的なスタミナで今では我が家のフリスビードッグチームの中ではエース的存在です。




この記事は1997年から2004年にプロバイダ統合によりホスティングサービスが終了するまでの間に公開していたホームページをblog形式にしてアーカイブ化したものです。
記事投稿の日付はだいたいなので、精度を欠きます。ご了承ください。